進化から見た利き手


元々は左手優位?

人類の祖先がまだ樹上生活をしていた時代、手を伸ばして食物を口に運ぶのはどちらの手だっただろうか。

マダガスカルに生息し、太古の昔とまったく変わらない姿で生きているアイアイなどの原猿類の調査では、左手優位だった。そうすると、霊長類の進化では、はじめに左利きがあったのだろうと推察される。

原猿類は、木々の間を飛び回る。このことが、視覚と空間認知、身体定位能力をもつ右脳の発達を促し、その結果、左手が器用になったという説がある。(P・F・マクナイレッジ)

次に地上生活をするようになり、音声コミニュケーションの発達と共に、言語脳である左半球が発達し、右手に利き手が移った。さらに右手を精巧に使うことで左脳が発達し、言語の発達にも寄与することになったと考えれれる。

東京大学霊長類研究所形態進化分野助教授 濱田ゆずる