ぎっくり腰(急性腰痛)
- ぎっくり腰を起こすと、頭に浮かぶのが「このひどい痛みがいつまで続くの?」という不安です。痛くて寝返りすら思うようにならず、なったことのある人でなければ分からない苦しさがあります。
- ここでは、いくつかの原因別ケースをご紹介します。あくまで当院でケアをしたケースの平均モデルですので、自宅で療養する場合とは異なりますが、おおまかにどのくらいの経過で痛みから回復していくのか、目安のひとつとしていただければと思います。
椎間板に由来するぎっくり腰
・背骨の奥から起こる「ズキッ」とする激しい痛み
・背中の中央から左右に、時にはどちらかに片寄って痛みを感じる
・咳やくしゃみ、息むと痛みがひどい
・立とうとしても腰に力が入らない
このような症状のぎっくり腰では、背骨の間に挟まってクッションの役目をしている椎間板に傷がついてしまった腰痛の可能性があります。何度もぎっくり腰を繰り返しているような場合には、この椎間板由来のものであることが多いようです。
回復経過
1回目ケア後 30%〜40%
2回目ケア後 50%〜60%
4回目までにケースの80%は急性期ケアを終了
筋肉と筋膜に由来するぎっくり腰
・特定の方向に体を曲げると痛みが走る
・動こうと力を入れた瞬間に痛む
・腰の強いこわばり感が広い範囲にある
強く踏ん張ったり、重い物を持ち上げようとして筋肉を痛めることがあります。そんなときは、痛む場所が比較的はっきりとしています。これは、筋肉がおおきな負担に耐えられずに損傷してしまったときに起こる症状です。
回復経過
1〜2回目までにケースの70%は急性期ケアを終了
椎間関節に由来するぎっくり腰
・
- 痛みが下肢にあり、画像診断で椎間板ヘルニアあるいは狭窄症が認められ、 主要あるいはマイナーな神経学的な兆候があり、症状による活動制限がまだ4週に満たないもの。
- 痛みが下肢にあり、画像診断で椎間板ヘルニアあるいは狭窄症が認められ、マイナーな神経学的な兆候だけあり、症状による6週間以上の活動制限を来しているもの。
・
手術は妥当でない
- 痛みが下肢にあり、画像診断で椎間板ヘルニアあるいは狭窄症が認められ、主要あるいはマイナーな神経学的な兆候があり、 症状による活動制限がまだ4週に満たないもの。
マイナーな神経学的所見(2つ以上該当すること)
- 左右非対称なアキレス腱反射
- デルマトーム上の知覚欠損
- ipsilateralのSLR陽性
- 坐骨神経痛
メジャーな神経学的所見
- 進行性の片側下肢の脆弱化
- WLR陽性
- 椎間板ヘルニアになった、という人を何人くらいご存じですか。ひとりかふたり、多くて数人でしょう。しかし、実際には非常にポピュラーなものなのです。
- MRIで調べると、35歳の人では40%、60歳では60%の人にヘルニアが見られた、という調査結果があります。(Definitions and care. In: Loeser JD, ed Bonica's Management of Pain, 3rd ed.)
- こんなにヘルニアを持っている人はいっぱいいるのに、実際の症状が現れる人はほんの一握りです。
- このことからわかるのは、本当にヘルニアが症状の原因なのかを判断するのは、MRIなどの画像診断だけでは不十分だということです。
- アメリカのガイドラインでは、症状、画像診断、保存的治療の効果、臨床所見を総合してヘルニアを判断しています。
- 椎間板ヘルニアといわれた方、こうしたことをきちんと調べてもらっていますか。
- また、ヘルニアを起こした椎間板は、多くは2ヶ月ほどである程度吸収されていきます。吸収されて小さくなれば、仮に椎間板が神経を刺激していても、次第に痛みがなくなっていくことが理解できます。(Caragee E. Point of view. Spin 2001;26:648-651)
- 実際、多くの麻痺やひどい感覚異常などのサインがない坐骨神経痛は、時間の経過とともに良好な予後を示します。
- アメリカでは、手術による解決は、患者さんにとってサポートシステムへのさらなる依存と、金銭上の救済を必要とするものであると考えられています。
- カイロプラクティックも、整形外科による保存療法、手術と同様に椎間板ヘルニアに対する選択肢のひとつです。
- 整形外科による保存療法に効果がみられないとき、より積極的なアプローチとしてカイロプラクティックの効果が期待できます。
- カイロプラクティックは、手術に比べて少ない費用で症状をコントロールできる可能性があり、その侵襲性(体への負担)は手術や薬物と比べて非常に少ないというメリットがあります。
- また、入院のため仕事を休んだり、長い時間を待合室で待たされるといった時間のロスがなく、そうした時間を費用に換算すると、その点でもメリットがあります。
- ただし、担当するカイロプラクターがきちんとした判断力を持っていないと、本当に手術が必要なケースを見逃し、むやみに時間と費用が浪費されることにもなりかねません。
- その点で、アメリカなどカイロプラクティックが法制化され、国家の医療業務の一翼を担うようになっている国では、大学でのカイロプラクティック教育が必須となっており、安心です。
- 日本でも、そうした大学教育を受けた国際基準を満たすカイロプラクターが、少ないながらいます。カイロプラクティックを受ける際には、そうしたカイロプラクターが担当する治療院を選べば良いでしょう。
- 必要な情報を十分吟味して、悔いのない判断をしていただければと思います。


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