手関節捻挫

■よくある受傷機転
転んで手掌で地面をつく、過度な掌屈や捻転
■傷害する靭帯
橈側側副靭帯と尺側側副靭帯のどちらか一方、背側月状有頭靭帯、掌側橈骨手根靭帯
 

■受傷部位診断ポイント
橈屈で痛み、舟状骨状に圧痛→尺側側副靭帯
尺屈で痛み→橈側側副靭帯
手をついて体重をかけると痛むが、無荷重での運動は痛まない→背側月状有頭靭帯、掌側橈骨月状靭帯
月状骨に対する有頭骨の滑り運動で痛み→背側月状有頭靭帯
橈骨に対する月状骨の滑り運動で痛み→掌側橈骨月状靭帯
■処置
橈側側副靭帯捻挫 3週間のギプス固定、舟状骨骨折の可能性を除外すること
痛みが強い時は、遠位手掌皮線から前腕中央まで伸縮包帯固定
月状有頭靭帯及び橈骨月状靭帯捻挫 安静とクロスフリクションマッサージ、靭帯に長軸方向へのストレスを与えない、超音波
■鑑別診断
・舟状骨骨折
転倒時、手関節背屈および橈屈位で手を突くと、舟状骨が橈骨と有頭骨の間で挟まれて骨折する
・月状骨脱臼
転倒時、手関節背屈位で手を突くと、月状骨以外は橈骨の背側に押し出されるが、月状骨は掌側橈骨手根靭帯により固定されて脱臼する