整体とカイロプラクティックの違い
似ているといわれる両者の異なる点
整体とは
カイロプラクティックとは
カイロプラクティックは、アメリカやイギリスなど34ヶ国で医療として法制化された、国際的なヘルスケアです。筋骨格系の障害とそれが及ぼす健康への影響をアジャストメントと呼ばれる手技によって施術します。
カイロプラクティックにも多くの流派(テクニックシステム)がありますが、神経の働きを妨げる因子であるサブラクセーションを取り除く、という統一された目的があります。
次にもうすこし違いをわかりやすくするため、腰痛に対するカイロプラクティックと整体の対応をみてみましょう。
応用科学であるカイロプラクティック
カイロプラクティックは、はじめに危険性や予後を考える参考として腰痛を医学的に分類します。そのため、国際基準のカイロプラクティック教育では、医学や生物科学系の勉強にも多くの時間を要求されています。
整体では、医学的背景にはカイロプラクティックほど厳密にこだわらず、整体独自の見たかをします。そのため整体師教育では、カイロプラクティックの国際基準教育ほど医学について時間を費やすことはありません。
この違いによって、国際基準のカイロプラクティック教育を受けた者は、自分たちがその腰痛を治せるものなのかどうか、医学的な判断基準を明確に持って腰痛ケアにあたることができます。
歪み重視と神経重視
カイロプラクティックも整体も、腰痛を見るときに、全身を通して施術を考える点は同じです。そのため、体の歪みや筋肉の左右差などのバランスを検査したりします。
整体は、骨格や筋肉の対称性や歪みが腰痛の原因であると考えます。そして歪み方から体の癖を考えたり、歪みがなぜ、どこから起きているのかを見ていきます。
カイロプラクティックも体の歪みを整体と同じように考えていきますが、そのポイントを神経系に影響している場所に絞り込みます。それは、神経に体を治すためのシグナルを伝える役割があるからです。特にカイロプラクティックは脊柱に注目しますが、それは中枢神経の一部である脊髄が通っているからです。
このような違いによって、カイロプラクティックには神経機能を高める手法、整体は歪みをバランスさせる手法が発達したと考えられます。
施術者の客観的な信頼性があるかどうか
施術としては、どちらにも良い点があります。客観的な効果の優劣に関する研究もされていないようなので、「どちらがいいの?」と尋ねられても、お答えに窮します。どちらにもすばらしい施術者が存在しており、過去から現在まで多くの方たちが利用しています。
ただひとつ言えることは、カイロプラクティックは国際的に認められ、研究が進んでいるヘルスケアであり、法制化された国ではカイロプラクティック専門のドクターとして仕事をするための教育が義務づけられている点で、確率的に施術者の信頼性が高いであろうということです。
※ただし、日本国内ではカイロプラクティックの教育義務はなく、個人の任意で国際基準の教育を受けているのが現状です。また、整体師でも鍼灸や柔道整復などの国家資格を持つ施術者は、医学的な判断をする教育を受けています。