モビリティとスタビリティは、健全な脊柱の基礎となるものです。セラピストとしてこの基礎を十分に理解する必要があります。
モビリティとスタビリティの達成目標は、「運動連鎖内のあらゆる場所で可動性を損なうことなく、全体にわたる姿勢安定を獲得する」ことです。この目標が達成できれば、体を動かすアクティブケアに移行することができます。
関節のモビリティは、靭帯や腱、筋肉などの弾性組織によって制限される以前の関節間の滑りと転がり運動によって起こる骨運動の範囲です。関節のスタビリティは、軟部組織と神経筋系との調整により達成される、関節の動きや位置を維持制御する能力です。
腰部はスタビリティが重要です。スタビリティが低下すると、アウターとインナー筋のバランスが崩れ、モビリティを損ないます。骨盤は、股関節の上で自由に動けなければなりません。くわえて、両下肢の運動エネルギーを効果的に伝達するために、力学的な閉鎖環として安定することが求められます。胸椎は、上司の運動に適応できる柔軟性が必要です。
安定すべき場所が動いていたり、動くべきところが安定しすぎている人が、一度アンバランスな動作をしいられたらどうなるでしょうか。高度な運動を求められる人にとって、そうした問題は補償された動作で大小するようになります。それは生涯のリスクを高めることになります。