BMI(体重と身長から計算される体格の指標)は、一般的に標準より高いほど死亡率も高くなることが、世界中の統計で指摘されています。
しかし、糖尿病があるとBMIが高い方の死亡率が低下する“肥満パラドックス”があるのではないかという報告があります。
11,427名の二型糖尿病患者を、平均15.8年間追跡調査した大規模な統合解析で、糖尿病患者において診断直前のBMIと死亡率にはJ字曲線の関連がみられ、過体重または肥満の糖尿病患者における死亡率の低さはみられず、いわゆる“肥満パラドックス”は認められませんでした。
では、痩せた人は糖尿病にならないかというと、BMIが低くても糖尿病リスクが増えると言われます。
理由としては、痩せた人は皮下脂肪が少ない分、運動不足や脂肪を取りすぎると肝臓や筋肉のまわりに脂肪が溜まりやすくなります。そんな人でも、体重が減ると血糖値も良くなります。
やはり健康的な体重を維持することは、糖尿病管理の基本であるといえます。