外部環境から受けた刺激をストレッサーと言います。ストレッサーを受けて、生理的にバランスが崩れた時起こる生体の防御や回復のための反応がストレス(応答)です。
ストレスを感じると、大脳皮質や辺縁系を経て視床下部に伝わって、「視床下部-交感神経-副腎髄質系(SAM系)」と「視床下部-下垂体前葉-副腎皮質系(HPA系)」を活性化するとともに、免疫系にも影響して全身のホメオスタシスを維持します。
SAM系
カテコールアミンが放出、血圧上昇、発汗、血糖上昇、覚醒
HPA系
糖質コルチコイド(コルチゾールなど)が放出、血圧上昇、血
糖上昇(糖新生の増加)、心収縮力の上昇、心拍出量の上昇、免疫系(炎症抑制)
ストレス応答が続くと、適応力が次第に低下してホメオスタシスが維持できなくなり、ストレス適応障害に陥ります。
代表的なストレス適応障害
- 免疫低下
- うつや不安などの情動障害
- 睡眠障害
ホメオスタシスの破綻は、デヒドロエピアンドロステロン減少、サイトカインの過剰生産、脳由来神経栄養因子(BDNF)の低下をきたすことがわかっています。
田中ほか,2011,日薬理誌137,185-188
https://www.jstage.jst.go.jp/article/fpj/137/4/137_4_185/_pdf/-char/ja