腰痛について
腰痛は、原因となる疾患が特定できるものと、特定ができない 非特異性腰痛の2つに大別できます。
腰痛を訴える方の15%が原因を特定できる「特異的腰痛」で、その他8割以上は原因が特定できない「非特異的腰痛」です。この非特異的腰痛が、慢性化、難治性化して、医療費増大、患者生活負担増大、労働損失を生み、社会的な問題になっています。
原因が特定できない腰痛としては、腰椎の椎間板や椎間関節の変性・老化(加齢変化)によって起こるもの、腰椎の不安定性により起こるもの、背筋の筋肉性疼痛によるもの、骨粗鬆症や外傷性骨折など骨自体の変化によるものなど、痛みの起源は想像されるものの、特異的な 理学・画像所見がないため非特異的腰痛と総称されるようになりました。
内臓由来の腰痛は決して無視はできませんが、一般の方が心配するほど頻度は多くなく、むしろ稀です。その場合にはひどい安静時痛や、何らかの内臓症状を伴うことが多いです。また、ストレスからくる心因性の腰痛もあります。
非特異的腰痛を起こす危険因子をあげると、
①腰痛既往あり
②持ち上げ動作が頻繁(一日の作業時間の半分以上)
③職場での対人関係のストレスが強いこと
④単調な反復作業が多いこと
でした。その他、無視できない要因として、前屈動作が頻繁、仕事への適合度の低さ、不安感の強さ、活力のなさが挙げられます。
また、腰痛が慢性化してしまう危険因子には、
①仕事や生活の低満足度
②働きがいが低い
③夜勤のある不規則な勤務体制
④怒り感が強い
⑤不安感が強い
⑥ベースラインでの強い痛みレベル(痛みスコアが8以上)
⑦小児期の心的外傷によるストレスあり
といったことでした。
椎間板
腰椎は通常5個ありますが、その骨と骨の間をつなげるクッションの役割を果たすものが椎間板です。椎間板は中央部の髄核とそれをとり囲む輪状の線維輪でできています。退行性変性といって何らかの理由で椎間板が変性し、含有する水分が抜けてくると椎間板ヘルニアになりやすくなります。
脊柱管
頸椎・胸椎・腰椎ともに背骨の中にはトンネルのような穴があいており、その中に神経が入っています。その神経が入っているトンネルを脊柱管とよびます。それが狭くなる病気を脊柱管狭窄症といいます。椎間板が出っ張って椎間板ヘルニアの状態になれば脊柱管も狭くなりますが、それはあくまでも椎間板ヘルニアと呼びます。脊柱管狭窄症は主に脊柱管後方(背側)の黄色靭帯と椎間関節が肥厚して神経を圧迫する病態です。
椎間関節
関節と言うと膝や肩の様な大きな関節を連想される方も多いかと思いますが、背骨にも小さな関節があります。その関節は、電車で言うと車両と車両の間の連結器の様なもので椎間関節と呼びます。腰椎では片側だけで指の爪くらいの面積があります。椎間関節の障害は腰痛の原因になるといわれていますが、他の原因からくる腰痛と明確に区別することは困難です。脊柱管狭窄症では、この椎間関節が変形して大きくなり神経を圧迫する場合が多いです。
腰痛を起こす病気
What is chiropractic?
カイロってなに?
整体と混同されることが多いカイロプラクティックは、米国では100年以上の歴史があるヘルスケアです。現在、カナダ、スイス、イギリス、オーストラリア、オランダなど世界各国で正規の医療として法制化され、世界中の人々の健康に貢献しています。日本ではまだ法制化されていないため、整体同様に正規に医療行為として行うことはできませんが、脊椎への手技を中心として施術し、筋骨格系を整え、神経を働きやすくすることでケアをしていきます。整体とは異なる考え方で効果を引き出すカイロをご理解いただければと思います。