カイロプラクティックの職業モデル -2-
カイロプラクティックは、現在主流となっている医療とは別の概念をもった専門職です。違う概念を持つことは、それはカイロプラクティックのアイデンティティとなって、他の医療と差別してくれますが、社会一般から大きな信頼を得たり、医 …
カイロプラクティックの職業モデル
カイロプラクティックは、これまで伝統的なアイデンティティを保持してきました。しかしそれは、カイロプラクティックが広がった20世紀から現在までの100年が経っても、主流医学からの理解を得て、医療システムの中でひとつの文化的 …
むち打ちや首の痛みにカイロプラクティックは効きますか?
自動車事故や転倒によるむち打ちや寝違えなどの首の痛みで困ったことはありませんか? こうした症状の改善にカイロプラクティックの効果があることが研究で実証されています。 実際に、ウイケアの来院する3割の方が首の痛みをお悩みと …
腰痛と生体力学的問題
姿勢や重力などによる生体力学的な負荷が問題となって腰痛を引き起こす、とういう考えが、カイロプラクティックや理学療法など生体力学を扱う療法で広く採用されて、実際の施術にも応用され、効果があると実感することも少なくありません …
生活習慣で腰痛が起きますか?
腰痛と生活習慣は関係があるのだろうか、という疑問が腰痛を専門とした医師にもあります。 重いものを持つような農作業や運搬業が腰を悪くするかどうかという疑問が、腰痛の専門家の間でも注目されています。 重いものを持つことが腰痛 …
プロロセラピーの適応
関節制御の完全性が損なわれ、神経系や筋筋膜系による代償的な圧迫作用が不十分で、付加状況下での関節コントロールができないときは、プロロセラピーの適応となる。(Cusi et al,2010,Dorman 1994,1997 …
深層筋と表在筋の協調
機能的な動作をするには深層と表層の筋が協調することが不可欠である。そのために、深層筋システムの共同収縮を表在筋の活性化が必要な課題と結びつけることが目標となる。LPH複合体機能障害がある場合、体幹の運動から股関節運動を分 …
腹部深層筋を共同活性化するための「コード・キュー」
コード・キューは、左右対称な姿勢や課題で、言葉による誘導に対して正常な呼吸パターンを維持したまま最小限の努力で深層筋群を対照的に収縮する反応を引き出すことを目的とする。 腹横筋や多裂筋深層部の非対称な活性化 例えば、左腹 …
腹部の深部筋システム 覚醒と神経ネットワーク
深部筋と表在筋を協調させるには、呼吸パターンの回復からはじめる。次いで深部筋の分離収縮とその維持をするトレーニングをし、最後に呼吸と統合する。 横隔膜 LPH複合体機能障害に伴って呼吸パターンが変容し、胸郭下部の側方及び …
腹部の深部筋システム トレーニングに最適な肢位の発見
背臥位や膝立背臥位は、評価には適したポジションだが、トレーニングには適切でないことが多い。Sapsfordら(2001)によれば、ドローインと腹筋で固める2つの方法の腰部骨盤アライメントは、中間位か前傾位で腹横筋が最も活 …
硬く線維化した仙腸関節のモビライゼーション手技 -2-
外傷性捻挫後の仙腸関節は繊維化することが多い。外傷により関節内に滑膜炎が生じると、疼痛誘発テストが陽性となる。この時点では、仙腸関節にかかる荷重を軽減して治癒を促すが、ほとんどの肢位で関節に圧力がかかるため、実際に免荷は …
硬く線維化した股関節のモビライゼーション手技
患側の膝立背臥位で、ストラップを大腿近位にかけて片手で大腿骨頭、反対の手で膝を支える。抵抗を感じる位置まで股関節を屈曲、内転、内旋したら、ストラップを外側に引いて最も抵抗のかかるベクトルを探し出す。ベクトルを見つけたら、 …
胸郭と腹部を圧縮する筋群のリリース手技
脊柱起立筋 脊柱起立筋は、胸腰椎椎間関節を圧縮し、胸腰筋膜を介して仙腸関節まで圧縮することがある。脊柱起立筋の過活動による姿勢を「バックグリッピング」と呼んでいる。バックグリッピングは、胸郭が後傾し、骨盤は前傾、腰椎はそ …
仙腸関節を圧縮する筋に対するリリース手技
坐骨尾骨筋は、仙腸関節下部を圧縮し、寛骨と仙骨の間で平行滑りを防いでいる。また寛骨に対して前方から後方の軽い力が加わると、寛骨を後方回旋させる軸を創り出す。 膝立背臥位で、股関節と膝を枕で支持する。セラピストは、尾側の示 …
内閉鎖筋のリリース手技
内閉鎖筋は、下部繊維のみが外側から触診できる。内閉鎖筋の過緊張は、腹圧性尿失禁のケースに見られる。内閉鎖筋派、肛門挙筋の筋膜連結を介して両側大転子をつなぐ骨盤底の一部とみなすことができる。 患者は膝立は意外で、股関節と膝 …
ボディメカニクスと環境への適応
腰椎の位置 背部損傷後は、損傷の種類や負荷を受けた組織の応答によって、望ましい持ち上げ姿勢を指導する必要がある。 骨盤後傾、腰椎屈曲位で持ち上げるとき、筋活動はほとんどなく非収縮性組織が脊柱を支持する。屈曲位でゆっくりと …
移動の安定化トレーニング
四つ這いから脊柱を中間位に保ったまま臀部をかかとにおろし、次は膝立腕立ての位置に体を移動させる。 スクワットとリーチ運動 立位で脊柱の中間位を維持しつつハーフスクワットをして床に手を伸ばす。中間位を意識したままで両膝を伸 …
機能的動作トレーニング 〜体重負荷運動〜
変形ブリッジ運動 体幹屈筋と伸筋による安定化および大臀筋と大腿四頭筋の強化、腹筋群による骨盤傾斜の制御、腰部伸筋の遠心性収縮による脊柱安定を学ぶ。 膝立背臥位で骨盤挙上及び下制しながら脊柱を中間位で維持することに集中して …
股関節を圧迫している深部筋(外閉鎖筋)リリース手技
股関節を圧縮する深部の筋に外閉鎖筋がある。外閉鎖筋は、恥骨結合外側の恥骨筋と長内転筋の間に位置するが、外閉鎖筋を触るにはその表層にある短内転筋群が緩んでいる必要がある。 リリース手技 股関節90度屈曲ポジションで、外閉鎖 …
神経及び筋筋膜系リリース手技
過緊張のアルキンが弛緩するポジションに関節を置き、セラピストが筋の起始停止を近接させ筋内短縮位を作る。筋緊張の緩解が感じられたら、関節の位置を中心化する方向に遠位骨に力を加える。そのとき、重く沈み込む、柔らかく溶けるなど …
気づきを用いたストレッチの基本原則
神経筋伝達における影響が改善され、筋の伸張性が回復した段階を維持するためのセルフケアとして、筋膜ストレッチを指導する。 ストレッチの際に、 筋肉が緩むイメージを与える言葉で神経系の緊張も低下する。また、リリースのための道 …
初期の機能的動作トレーニング
機能的動作のトレーニングは、患者を安全に自立させることにあります。最初の段階では、脊柱中間位を維持したまま行う安全な寝返り、寝起き、立ち上がりの基本的な方法の指導を行います。 体軸回旋 脊柱中間位でドローインし、両肩と骨 …
背部の動的強化運動
胸部の挙上 伏臥位で両腕を体側に置いて胸部を持ち上げることから開始し、耳の横、挙上と両腕の位置を段階的に変えていく。 下肢の挙上 伏臥位でテーブルを両手で抱えて上半身を安定させたまま片脚を持ち上げ、反対側と交互に挙上する …
胸腰部の等尺性収縮と安定化運動
背臥位、座位、ジムボール座位、膝立ち、立位へと段階を進む。脊柱中間位でドローインさせたまま、患者の腕や持たせた道具に力を加え、加えた力に応じて抵抗させる。最初は言葉をかけてから、力の強さや速さを変えて何度か行う。 「私の …
HVLAスラストの基本原則
急性腰痛の予後予測に従って高速艇振幅スラストを行うことがあります。予後予測においては、とくに、 発症16日以内 膝より下に症状がない という条件がスラストの効果と関連性が強いとされています(Fritz et al, 20 …
関節モビライゼーションの基本原則
筋が弛緩した状態になって初めてニュートラルゾーンやエンドフィールの質や方向など、関節本来の動きを評価することができるようになります。関節包と靱帯に由来する場合、多方向に制限が認められることが多いようです。そのため、モビラ …
脊椎の急性症状管理 〜伸展バイアス〜
患者指導 最初の2、3日は、伸展あるいは側方移動の自己矯正を頻繁に繰り返すよう指導する。症状が重度であれば、臥位安静及び一定間隔で短時間歩行をする。歩行の目的は、腰椎伸展を促して椎間板あるいは結合組織の膨隆を軽減する。治 …
Intramuscular Stimulation ~筋肉内刺激法の基本原則~
Dr.Chan Gunnが筋筋膜性疼痛モデルに基づいて開発したドライニードリング手技が、IMS筋肉内刺激法です。このモデルの特徴は、筋筋膜性疼痛がつねに末梢神経障害あるいは神経根障害の結果として生じるという仮説です。その …
気づきを用いたリリース ~基本原則~
気づきをリリース手技に併用することで、学習と記憶のネットワークを活性化して、望ましくない筋活動パターンの原因となる不適切な神経ネットワークを消去します。気づきを用いたリリースの基本原則は、 過緊張した筋を短縮位に保持した …
脊柱管理の原則
脊椎の急性損傷は、通常なら1ヶ月以内に寛解します。(Abdulwahab et al,2000)。妥当性と帰結に関する諸試験の結果から、治療的介入が効果を奏する患者のサブグループが確認されています。 反復運動テストで症状 …
急性期にすべきことは何ですか?
ケガなどによる軟部組織損傷の急性期は、炎症、運動機能障害、浸出液、使用低下といった問題が発生します。そこで、急性期には患部を保護し、かつ強く可動性のある瘢痕組織の形成を目的とした治療が必要になります。 そのためには、最初 …
評価・診断する上で考える主な問題点とは?
治療するためには適切な評価と診断が重要なわけですが、その過程で考慮したほうがいい問題点にはどんなものがあるでしょうか。 機能の障害やそれによる制約の範囲や程度、重症度 障害は進行性なのか、どの程度安定しているか 症状は急 …
治療できる機能障害にはどんなものがありますか?
機能障害は、いろいろな病変の結果です。つまり器官や組織の生理学的機能や解剖学的構造が異常を起こした結果、機能障害が引き起こされます。治療では、次のような機能障害がある患者さんを治療することができます。 筋骨格系 疼痛 筋 …
モビリティとスタビリティ どっちが先?
モビリティとスタビリティ、多くのケースで両機能にわたって問題が混在しています。そうした場合に、どちらから先に治療を始めるのがいいのでしょうか。 FMSなどがモビリティを優先するのに対して、PNFは腰部骨盤のスタビリティを …
運動制御を失ったときのマネージメントは?
O’Sullivan先生によると、運動制御をマネージメントする目的は、慢性的な痛みの根底にあるメカニズムの振る舞いを変えることにあります。 そのために、行動に認知を結びつけた戦略をとります。 運動を学ぶには、3つのステー …
仙腸関節が閉鎖力を失う理由
仙腸関節を安定化している構造的な閉鎖力は、次のような要因によって失われることがあります。 前屈みで座る スウェイ姿勢 片脚休めの立位姿勢 過度の骨盤側方シフトや腰部の回旋 骨盤底の挙上ができず、随意的な呼吸に伴って下腹部 …
運動制御をテストする
運動制御の状態を評価するテストをいくつか紹介します。 機能的動作テスト 立位姿勢 立位前屈および前屈位からの復元 立位背屈 片脚立脚 スクワット 座位から立位への移動(両脚及び片脚) 座位スランプ姿勢および直立位 ニュー …
非適応性慢性腰痛の根底にあるメカニズムはなんでしょうか?
運動制御システムが適応しなくなった慢性腰痛で、痛みを起こす根底にあるメカニズムは次のようなことが考えられます。 組織損傷/局在的な痛みが発生 ↓ 運動レスポンスの変化 ↓ 痛みや運動応答に影響する因子 ↓ 身体的問題/解 …
仙腸関節マニュピレーションの作用
深部にある腹部の筋肉、つまり腹横筋のことだと思いますが、そのIAPによるフィードフォワードにより活性化する時間の発生率に仙腸関節マニュピレーションが影響するかどうかという研究がありしたので、アブストラクトを紹介してみます …
最大のモビリティを実現する3つのセグメント
運動と身体活動に関連して、最大限にモビリティを発揮することを可能にする身体のセグメントはみっつあります。一つは足および足首、もう一つは股関節、そして胸椎です。これらのセグメントの一つでもモビリティを失うと、体全体の構造と …
モビリティとスタビリティ、なにが違うのか?
モビリティとスタビリティは、身体の運動性能を示す物理的な性質です。 1.効率的な動作は多数の筋肉と関節が協調的に働く 安全で効率的な動作は、筋肉を個別に使うのではなく、効率的な運動パターンを構成するために同期して働く多数 …
モビリティとスタビリティ なにが目的か。
モビリティとスタビリティは、健全な脊柱の基礎となるものです。セラピストとしてこの基礎を十分に理解する必要があります。 モビリティとスタビリティの達成目標は、「運動連鎖内のあらゆる場所で可動性を損なうことなく、全体にわたる …
骨盤を安定化するシステムはなんでしょうか?
骨盤は、仙骨と左右の寛骨が力学的に閉鎖環を構成していますが、仙腸関節及び恥骨結合といった可動構造があるため、骨盤を安定化するには能動的に閉鎖を補強するシステムが不可欠です。能動的システムは、次の筋肉が構成します。 多裂筋 …
腰椎はどんなときに不安定になるのですか?
脊柱の安定性は、次の3つのシステム間の相互作用に依存するとされています。 受動的システム 椎骨、椎間板、椎間関節、関節包、靱帯 能動的システム 分節間をまたぐ筋力 神経システム 能動的システムを制御する中枢神経及び末梢 …
慢性腰痛症の診断と分類 =動作不適応と運動制御障害の根底にあるメカニズム=
オーストラリアの理学療法士であるPeter O’Sullivan先生の慢性腰痛に関する論文のアブストラクトを紹介します。 腰痛は、ごく普遍的だが自己限定的な状態である。腰痛が本来予想される治癒期間を過ぎても解消せずに慢性 …
症状を変化させる
治療では、見つけた問題を順序よく解決していくことで、無駄な施術をなくし治療効果を高めます。強い機能障害や中程度以上の強い痛みがあったり、症状が不安定で変わりやすいような場合は、「症状を変化させる」治療戦略をとります。ここ …
メカニズムベースの筋骨格系疼痛分類
筋骨格系疼痛をそのメカニズムによって分類すると、次のようになります。 侵害受容性疼痛 末梢神経因性疼痛 中枢感作性疼痛 侵害受容性疼痛(NP)は、組織を害する化学的、機械的、熱的刺激に応答する一次求心性ニューロンの自由神 …
組織特異的治療の適応
検査で特定の組織に痛みを起こすような問題が見つかった場合は、組織特異的治療が適応になります。 その条件としては、 同じ方向に複数回を反復運動することで症状の中央化がみられる 特定の方向に動くと中央化し、その反対側に動くと …
スタビライゼーションの適応
近年、体幹を重視する人が増えたことで、スタビライゼーションエクササイズが注目されてきました。確かに体幹のスタビリティは重要なんですが、誰にとっても重要かというと、必ずしもそうではないようです。どんな人にとってスタビライゼ …
マニュピレーションの適応
腰痛あるいは頚部痛に対してマニュピレーションが適しているかどうかは、次の条件で判断します。 16日以内に発症した症状 膝あるいは肘より遠位に症状がなく、過去に出たこともない 痛みの頻度が増加傾向 疼痛誘発テストが陽性 反 …
施術は何処からはじめますか?
多くの症状や痛みは、組織への負荷の結果として末梢組織に分布している侵害受容器が刺激されて生じます。生物にとって痛みは、多岐にわたって影響を及ぼし、ときには組織への負荷がなくなった後でも症状が残る場合もあります。このような …
構造的な股関節アライメントを確認しよう
空間座標上の骨盤の位置は、股関節の位置に左右されます。前捻角のバリエーションにより発生する股関節の構造的な内旋は、代償的な骨盤偏位をもたらします。前捻角は、大腿骨内・外側踝を結ぶ直線と大腿骨頚の中心線がなす角で、正常範囲 …
骨盤の位置
骨盤の位置は、両下肢の重量感覚と腰臀部筋感覚が情報として利用される。若年健常者は、立位、座位どちらの姿勢でも骨盤と脊柱の位置再現性に優れ、その誤差は2度程度であることが報告されている(Brumagne et al 199 …
新たな注目点
従来型のセラピーでは、生体力学や運動学的な要素に注目してきました。そして、そのやり方は一定の効果を上げて、患者さんからも評価を受けることができました。でも生体力学や運動学は、ヒトの一側面をみているに過ぎません。ヒトをはじ …
問診 鍵になる質問とは
年齢や性別、職業、日常生活のしかた 症状が起きたときの状況 症状の場所や強さ、どんなときに痛みが増し、どうすると楽になるか 1日のなかで痛みの変化のようす ふだんの健康状態、薬や治療などの利用状況 どうして症状が起きたの …